【現役社員解説】2024年版広告代理店年収ランキング

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「最新の広告代理店の年収ランキングを知りたい…!」

新卒や中途で広告代理店へ就職を考えている方は気になる話題ですよね。しかし、各種就活サイトや年収をまとめているサイトは古い情報で記載していることが多く、いまいち参考になりませんよね。(企業も網羅されている訳でもないし。)

今回は、現役で広告代理店に勤める私が下記の3つの観点から広告代理店の年収ランキングを作成させて頂きました。あくまでも私個人が下記の得られる情報をもとに作成したものなのでご了承ください。

  • 広告代理店に勤める私が見た業界内からの目線
  • 就活サイト(年収ガイド)からの情報
  • 非上場企業はクチコミサイトからの情報
SETO
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年収ランキングは上記3つの観点からできる限り全ての広告代理店を網羅できるように作成しました。(PR会社は含んでおりません。)

【2023年版】広告代理店の年収ランキングはこちら

順位 企業名 分類 平均年収 平均年齢
1 電通 総合系 1,520万円 44.0歳
2 博報堂 総合系 1,275万円 43.9歳
3 サイバーエージェント ネット系 806万円 34.2歳
4 デジタルガレージ ネット系 763万円 38歳
5 東急エージェンシー ハウス系 762万円 38歳
6 ADKマーケティング・ソリューションズ 総合系 756万円 42.1歳
7 デジタルホールディングス ネット系 727万円 40歳
8 JR東日本企画 ハウス系 706万円 41.7歳
9 CARTA HOLDINGS ネット系 700万円 43.9歳
10 電通デジタル ネット系 674万円 32歳
11 朝日広告社 ハウス系 663万円 42歳
12 大広 総合系 650万円 33.3歳
13 アドウェイズ ネット系 648万円 32.7歳
14 読売広告社 ハウス系 621万円 33.3歳
15 日本経済広告社 ハウス系 620万円 40.7歳
16 D.A.コンソーシアムホールディングス ネット系 602万円 37.9歳
17 D2C ネット系 587万円 34.8歳
18 バリューコマース ネット系 581万円 35.3歳
19 セプテーニ ネット系 579万円 31.4歳
20 インタースペース ネット系 542万円 33.6歳
21 レントラックス ネット系 526万円 29.9歳
22 GMOアドパートナーズ ネット系 523万円 35.2歳
23 アイレップ ネット系 508万円 31.5歳
24 フルスピード ネット系 505万円 29.8歳
25 ファンコミュニケーションズ ネット系 504万円 32.2歳

──ネット系広告代理店の占める割合が増加傾向

広告代理店の市況感としては、WEB広告の需要増加からネット系の広告代理店が増加しております。人材の流動性が激しいネット系広告代理店は、キャリアアップの土台作りとして入社する方が多く、ベンチャーマインドを持った平均年齢が若い社員で構成されているため、平均年収は低い傾向があるのが特徴です。

それに対して、総合広告代理店はラストキャリアとして入社する方が多く、就職したら長年勤める傾向があるため、ある程度年功序列によって賃金が上昇するため平均年収が高い傾向になります。しかし、ネット広告費の増加に伴いインターネット領域で価値を生み出せない総合広告代理店は衰退していくことが想定されるでしょう。

年収ランキングは年収ガイトさんの情報をメインに作成しました。非上場企業に関してはクチコミサイトから引用。年収ガイドは公的・私的機関から発表されている各種統計データの分析を行い、収入や賃金、ボーナスなど誰もが気になる「お金のデータ」を掲載しているサイトです。グラフやランキングデータを活用して比較・対比することによって、訪問者の方々がわかりやすくデータが見られるように工夫されています。(参照:年収ガイド)

広告代理店の分類

広告代理店は「総合広告代理店」、「インターネット広告代理店」、「ハウス系広告代理店」の3つに分類されます。年収ランキングの表からでも分かる通り、近年WEB広告の需要増加からインターネット広告代理店が増えてきています。それぞれの広告代理店の特徴をご紹介していきます。

総合広告代理店

──広告におけるプロモーション全てを請け負う広告代理店

総合広告代理店は、広告の企画段階から制作段階までのすべての工程を総合的に担う広告代理店になります。4マス媒体だけでなく、インターネットに至るまで全領域の広告媒体を駆使して企業の課題解決に取り組みます。特に電通・博報堂はグループ企業のリソースを活用し幅広い領域の課題解決を請け負うことができるため今後も広告代理店の年収トップ2は継続していくことでしょう。

インターネット広告代理店

──インターネット領域のプロモーション全てを請け負う広告代理店

インターネット広告代理店はWEB広告をメインに取り扱う広告代理店で、WEBマーケティング全域における企業解決に取り組みます。マス広告と違い、特定の個人をターゲティングができる特徴を持つWEB広告の需要の増加より、需要が増加しており比較的若い人でも年収レンジが高い傾向にあります。

今後もWEBマーケティング領域のは拡大していくことが想定されるため、個人的には専門スキルを身に付けていきたい若手は総合広告代理店よりもインターネット広告代理店への入社を強くお薦めします。

ハウス系広告代理店

──特定の企業のプロモーションを担当とする広告代理店

特定の事業会社を広告主として、専属で広告事業をおこなっている会社を指します。他の広告代理店と比較すると規模が小さい企業が多いですが、クライアントの事情を熟知している上に小回りが効くのでクライアントとしては信頼して任せられる存在であるでしょう。

ジェイアール東日本企画東急エージェンシーのように、もとはハウスエージェンシーであっても他社の案件も引き受け、総合広告代理店のような機能を持つ企業もあります。

高年収の広告代理店の紹介

電通

参照:HP

言わずと知れた国内トップの総合広告代理店。
同社の有価証券報告書によると、平均年収は1,520万円。

広告領域に留まらず、AX(広告の高度化/効率化)、BX(事業変革)、CX(顧客体験の変革)、DX(マーケティング基盤の変革)の4つのトランスフォーメーションで、顧客企業の持続的な成長を支援する企業。

広告代理店の価値が低下しつつある昨今では、クライアントの情報システムに関するコンサルティング・開発・運用、各種ソフトウエアプロダクトの販売・総合ネットワークサービスも実施しています。

博報堂

参照:HP

電通に次ぐ、国内トップの総合広告代理店。
同社の有価証券報告書によると平均年収は1,275万円。

広告ビジネスの枠組みを超えて、経営・事業から社会イシューまでのあらゆる領域において、国内でもグローバルでも、個々のクライアント課題に応える統合マーケティング・ソリューションを提供している企業。

高いスキルと豊富な経験を持つ各領域の専門チームが、「クリエイティビティ」を発揮し、クライアントの変革と持続的な成長をサポート。

電通デジタル

参照:HP

2016年7月設立の国内最大級のデジタルマーケティング会社
平均年収:674万円

電通のデジタル領域専門のグループ企業として、国内外約1,000社のデジタルパートナーとして企業の経営・事業・マーケティング活動全般を支援する会社。電通のリソースを使い、WEB広告×マス広告を統合(Integration)したコミュニケーション戦略に携わることができる。

設立当初は700人だった社員数は、5年で1,500人に倍増し、売上と利益も同様に成長している。平均年齢が32歳と若く、チャレンジ精神溢れる企業。

ADKマーケティングソリューションズ

参照:HP

国内売上高第3位を誇る総合広告代理店。
同社の有価証券報告書によると平均年収は756万円。

マーケティング課題解決の統合的な提案・実施、デジタルおよびマスメディアのプランニング・バイイング、データドリブンマーケティング等を行うソリューション会社。

他の広告会社にはないADKの特徴として、コンテンツビジネスが活発な点が挙げられます。多くのテレビアニメや実写特撮番組に関わり、企画、キャラクターの商品化、海外への番組販売などを行っています。

サイバーエージェント

参照:HP

インターネット広告代理店の代名詞と呼べる次世代を担う一流企業
同社の有価証券報告書によると、平均年収は771万円。

”21世紀を代表する企業になる”というビジョンを掲げ、主力のインターネット広告事業から「Abema TV」といったメディア事業など幅広いジャンルを手掛けている。若手社員でも大きなプロジェクトを任せるなど社員育成のとても力を入れており、20代で圧倒的に成長したいと思う人にはオススメの企業です。

就活生には毎年人気企業の一つに取り上げられる程、波に乗っている企業になりますので新卒入社のハードルはとても高い傾向になります。

インターネット広告代理店の分類

──インターネット広告代理店の分類から年収相場を紐解く

インターネット広告代理店は大きく3つに分類されます。比較的年収レンジの高いのは電通や博報堂といった総合広告代理店のグループ企業として属する総合系インターネット広告代理店になります。年収レンジが高い理由として、知名度がある企業なので大手事業主からの大型案件の依頼が多くその分マージン率が高いことが挙げられます。インターネット広告代理店各社の運用の質はAIによる自動入札が発展している関係で極論大差がないのですが、多くの事業主はいまだに知名度で選ぶ傾向があるので知名度が低いインターネット広告代理店は仕事を受注するためにマージン率を引き下げないと仕事がもらえないので年収レンジが低い傾向にあるのです。

総合インターネット広告代理店

例:電通デジタル、D.A.コンソーシアムホールディングス

電通や博報堂といった総合広告代理店付随するインターネット専門の代理店になります。そのため、グループ会社のリソースを使い幅広いソリューションを提供できることが強みとなっております。
例)TVCMと連動したWEB広告プロモーションを展開できる

年収レンジ非常に高く高待遇な働き方ができます。独立系インターネット広告代理店との一番の違いはマス広告も含めたデジタル領域でのコミュニケーション戦略にも携わることができる点です。

独立系インターネット広告代理店

例:サイバーエージェント、デジタルホールディングス

インターネット広告を専門に取り扱う独立系の代理店で一般的に知名度ある企業は年収レンジが高い傾向があります。平均年齢が比較的に若くベンチャーマインドを持った社員さんが多く、活気が溢れていることが特徴になります。

マス広告は手掛けていませんが、トップファネルの領域のWEBによる認知には携われことができるので、WEBマーケティングのスキルを取得したいのであれば最適な代理店になります。例)サイバーエージェントは「ABEMA TV」などマス広告並のインパクトがある媒体を持つことから今後より広告収益を獲得していくことが想定されます。

アフィリエイト専門広告代理店

例:アドウェイズ、ファンコミュニケーションズ

企業から広告の提供を受けて、アフィリエイト広告として配信するサービスプロバイダの広告代理店となります。広告主企業とサイト運営者をつなぐ、広告代理店と言ってもよいでしょう。クライアントと直取引ではなくどこかの広告代理店を挟んで行う取引が多く、中抜きがあることによって年収レンジは比較的に低い傾向があります。直クライアント取引もありますが、大手広告代理店に発注できない比較的小さなクライアントからの発注になるので大規模な予算をもらえないことが多いのも特徴です。

補足)アフィリエイトとは、サイトに商品やサービスの広告を掲載し、そのサイト経由でコンバージョンされた場合にはサイト運営者に報酬が支払われるという仕組みのことです。

年収レンジの高い広告代理店へ就職するためには

誰しもがどうせ働くなら年収レンジの高い企業に勤めたいですよね。ではどうすれば、年収レンジの高い広告代理店へ就職ができるのでしょうか。今回は中途採用者に絞ってキャリアアップのプランをご紹介していきたいと思います。

WEB広告を扱うインターネット広告代理店で経験を積む

結論、WEB広告の分野を学ばなければキャリアアップは望めません。時代はDX(デジタルトランスフォーメーション)です。この用語だけだといまいち分からないと思いますが、要はデジタルに関する知見を身につけなければ時代の変化に置いていかれるということです。

特にネット系広告代理店が増加している傾向からも分かる通り、WEB広告の需要は今後も増加していくと想定しております。総合広告代理店のグループ企業である電通デジタルやDACも本体の採用よりもデジタルマーケティング関連の人材を積極的に採用を行っております。

未経験や新卒で年収レンジの高い広告代理店に入社できなくてもWEB広告やデジタルマーケティング関連企業で経験を積むことができれば、転職で年収レンジの高い企業へ入社することは比較的に用意です。(それだけ、世の中の需要に供給が追いついていないのです。)

デジタルマーケティングの領域で専門性を身につける

結論、デジタルマーケティング領域で専門性を身につけた人材は年収レンジの高い広告代理店への入社は容易です。今後、データをもとに企業解決のサポートやコンサルティングを行うデータアナリストデータサイエンティストといった職種の市場価値が大幅に上昇していきます。

今後、広告代理店が価値を生み出していくにはコンサルティング能力クリエーティブ力が不可欠です。単なる技術者ではなく、自分が扱っている領域の課題をデータやクリエーティブの力を駆使してコンサルティングすることができる人材は引くて数多になると想定しております。分野は様々ですが、「デジタル」はどこにでも共通する分野であるためデジタルマーケティング領域で専門性を身につけることが年収レンジの高い企業へ入社する近道になります。

インターネット広告代理店に就職するためには

上記で紹介した年収レンジの高いインターネット広告代理店に勤めるためにはどうすれば良いのでしょうか。現役インターネット広告代理店に勤める私が、自社の採用担当からこっそり聞いた裏話も踏まえて、新卒採用と中途採用の二つの側面からご紹介していきます。

新卒採用の場合

情報感度が高い高学歴な学生

年収レンジの企業の場合、偏差値が高い有名私立や国立からの大学からの人が大半を占めます。悲しい現実ですが事実です。決して学歴で判断していると言うよりも、偏差値の高い大学出身者の多くは情報感度が高い学生が多く、より豊富な知識を備えております。デジタルマーケティング企業は変化の激しい業界のため、常に新しい情報をキャッチアップする能力が求められるので、大学時代から日本だけでなく、世界情勢にまで目を向けて最新の情報を得ることが必要になります。

  • Googleは今後どういった仕組みを作ろうとしているか
  • 個人情報への規制は今後どのように変化していくのか
  • 広告代理店は今後どのようになっていくのか

WEB広告を取り巻く環境の変化を正確に捉えられている学生は就職面接でも受けが良いでしょう。

コミュニケーション能力

面接の際に一番面接官が重要視している所は「コミュニケーション能力」です。学生時代にどれだけ優秀な学歴や体験を行なってきても面接時の話し方でその人の本質は確実に見抜かれてしまいます。皆さんも人と話していて「この人賢いな」と感じる人は決して経歴とかではなく、話す内容や話し方から感じませんか?ここは地頭が関わってくる部分ですが、アルバイトなど目上の方やお客さんとの話し方、接し方で鍛え上げていける部分ではあるので学歴がない人ほど、注力したほうが良いスキルだと思います。

中途採用の場合

デジタルマーケティング業界からステップアップ

インターネット広告代理店は慢性的な人手不足であり新卒採用では厳しくても、中途採用では経験者の場合、採用のハードルは一気に下がります。年収レンジの高い企業に転職するために、まずはデジタルマーケティング関連の企業に入り知識やスキルを蓄えることができれば、年収レンジの高い企業へのキャリアアップすることは比較的に容易です。しかし、デジタルマーケティング経験者に限った話なので、未経験者で年収レンジの高い企業へ入社するのはよっぽど飛び抜けたスキルがない限り不可能でしょう。

専門性がある職種につく

年収レンジの高い企業へ入社するために、専門性のあるスキルを身につけるとよいでしょう。例えば、データ分析から企業の課題解決をサポートするデータアナリストデータサイエンティストといった専門職は希少価値が高く、年収レンジの高い企業は喉から手が出るほと欲しい人材です。世間一般的にある営業職やコンサルタント職ではなく、希少性のある専門性を身につけることで市場価値は一気に常食することでしょう。

広告代理店の今後の動向

──広告代理店は今後必要が無くなり多くの企業が潰れていくでしょう。

「えっ。広告代理店って無くなるの?」と驚いた人も多いと思います。広告代理店へ入社を考えている就活生にとっては、広告代理店が今後直面する課題は気になるところだと思います。

WEB広告の登場で広告業界は大きな変革期を迎えております。近い未来に広告代理店として「価値」をどのように提供するかを問われる時代に突入していき、存在価値を見いだせない単なる「広告運用代行」の広告代理店の多くが潰れていくでしょう。

下記の記事では、「広告代理店の今後の動向」に関して紹介しております。

まとめ

──デジタルシフトは加速する

広告代理店の年収ランキングや今後の動向などご紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか。WEB広告の登場により広告代理店は変革期を迎えております。面白いものを作る、効果のありそうなものを作るという漠然とした広告は淘汰される時代になってきています。あらゆる指標からデータを取り、より効果的な訴求や表現を戦略的に立案することが求められており、デジタルマーケティング分野への理解が非常に重要になってきております。

広告代理店としてどのような「価値」を見出せるか、またその価値を個人として会社にどう提供できるのかを考えることがキャリアを築く上で重要なことだと考えております。